小学生のときバイオハザード2のせいでプレステを捨てようと思った話
忘れもしない1998年冬のこと。
我が家に兄の友人2人がやってきた。
1本のゲームソフトとともに。
当時、私は小学5年生。
兄とその友人は中1。
私は当時からゲーム大好きっ子だった。
クリスマスに買ってもらったプレステも基本は私の物だったので。
兄の友人「妹ちゃんプレステ借りるよ」
と、兄の友人は私に一言言ってくれた。
……今思えば、この兄友人2人というのは「兄貴と遊ぶため」にうちに来たのではなく、単に、我が家にはプレステがあって、集まるのにちょうどいいからってだけで来ていたのかもしれない。
実際、兄貴は2人が来てる間、本読んでたし。
本当に友達か?…などということは、当時の私の頭にはまったくなかった。
ゲームをするというので、とにかく、何で遊ぶのか興味津々だった。
人がゲームしてるのを横で見るのは好きである。今も昔も。
わい「ねー何するの?(わくわく)」
兄の友人「バイオ2」
わい「ばいお??」
まったく知らないゲームだった。
聞けばつい最近出たばかりらしく、二人で遊びたかったらしい。
よくわからんが横で見ていることにした。
そのとき、私は生まれて初めて「ホラーゲーム」というものを目にすることになる。
(以下、当時の心境を思い出しながら、できるだけそのまま書きます)
タイトル画面。
目。
すっげぇ怖い目。
ボタン押すと「ばぁあいおはざぁどとうぅぅ……」。
じめじめとして暗い雰囲気の3Dマップ。
うあぁぁ……うえぇぇ……とかうめくローポリのゾンビがゆっくり迫ってくる。
喰われるとめっちゃ血出る、ガジョガジョ言う。
音楽、暗い。
明るい雰囲気、どこ。
おかしい。
ゲームって、わちゃわちゃるんたったして楽しいものじゃないの?
なんでこんな重苦しい雰囲気なの?
うあぁぁ……うえぇぇ……。
ゾンビなんでこんな怖い声出すの?
っていうかさ。
私のプレステになんつーゲーム入れてくれちゃってんの?
ねぇ。
次起動したときにプレステからゾンビの声したらどうしてくれるの??(※するわけない)
兄の友人「あれ? 妹ちゃんどこいくの?」
わい「寝る!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
実際2階にあがって昼寝してた母の横にもぐりこんで震えて寝た。
その後数日間は、ゾンビの夢にうなされた。
一人でトイレに行けなくなった。
それどころかプレステに一切触れなくなった。
それまで毎日のように大好きな「テイルズ・オブ・ファンタジア」で遊んでたのに。
もちろん、バイオ2のディスクは兄の友人あんちくしょうが持って帰ってくれたので、私のプレステの中に今も入ってるわけがない。
が、あのトラウマが消え去るまではプレステにいっさい触れなくなってしまった。
まじで、触れなくなった。
最悪、このプレステを捨てて新しいのを買ってもらおうか?とかマジで考えたくらい。
そのプレステは「バイオハザード2」という1本のゲームソフトにより、「呪われたプレステ」になってしまったのである…………。
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4.14追記:
このエピソード、当時の(私の)友人がめっちゃよく覚えててくれました。
以下、友人の談。
「プレステ売って新しいの買う計画立ててたよね(ガチで)」
「プレステに触ったら呪われるからテイルズできないとか喚いてたよね」
「その話聞いただけで私もバイオできなくなったわ」
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……そんなプレステ売却未遂事件から20年近く経った今。
三十路を迎えた私は、あのバイオ2のリメイク「RE:2」をプレーしている。
ただし
や っ ぱ 怖 い の で ロ ケ ラ ン 無 双 で 。
小学5年生の私に教えてあげたい。
ゾンビ怖くないよ。
こ っ ぱ み じ ん に 吹 っ 飛 ば せ ば な 。
*おしまい*